◆ベストセラーの著者に
牛乳業界が質問状 有害の根拠示せ
ベストセラー「病気にならない生き方」(サンマーク出版)で、著者の新谷弘実氏が「
牛乳を飲み過ぎると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になる」などと書いていることに対し、日本酪農乳業協会がつくる学識者の団体が、新谷氏に「科学的根拠を示してほしい」との質問状を出した。
28日付で質問状を出したのは、
牛乳に関する知識普及のため、日本酪農乳業協会が栄養学などの専門家16人を組織した「
牛乳乳製品健康科学会議」(会長・折茂肇健康科学大学長)。
「病気にならない生き方」は、内視鏡外科医として日米両国で活動する新谷氏が、自らの臨床経験から導き出したという健康法を説いた本で、130万部を超える。この中で新谷氏は「
牛乳ほど消化の悪い食べものはない」「人間が食物とするにはふさわしくない」などと述べている。
同会議は「主張の科学的根拠に大きな疑問を持っている」と、
牛乳・乳製品の摂取増加が閉経後の骨量減少を抑えるという論文を挙げたり、牛肉や卵より優れている
牛乳のたんぱく質の消化率を引用したりと根拠を示しながら、8項目にわたり反論。新谷氏に主張の科学的根拠を示すよう求めている。回答期限は4月末。
日本酪農乳業協会の消費動向調査によると、「
牛乳を全く飲まない」人の割合は過去19年10%前後で推移してきたが、06年は13・7%と急増。理由は調査中だが「この本も一つに考えられる」という。
(2007/03/28)
http://www.asahi.com/health/news/TKY200703280148.html
◆「
牛乳=有害」は根拠示せ…医師らが書籍著者に質問状
ミリオンセラーになっている「病気にならない生き方」(サンマーク出版)に、
牛乳乳製品に関し科学的根拠が疑わしい記述があるとして、医師や栄養学の専門家らでつくる
牛乳乳製品健康科学会議(会長、折茂肇健康科学大学長)は27日、同書の著者、新谷(しんや)弘実・米アルバート・アインシュタイン医科大教授に質問状を送り、回答を求めた。
新谷教授は同書で、
牛乳を作る過程でホモゲナイズ(均等化)することで、乳脂肪は酸素と結びつき過酸化脂質に変化してしまうとし「市販の
牛乳は『錆(さ)びた脂』ともいえる」と記述。また「
牛乳のカルシウムはかえって体内のカルシウムを減らしてしまう」「
牛乳の飲みすぎこそ骨粗鬆(しょう)症を招く」など健康への悪影響を述べている。
同会議は「ホモゲナイズしても乳脂肪が酸化されることはほとんどない。
牛乳を飲むことで体内のカルシウムが減ることはなく、骨粗鬆症になることもない」などと反論。質問状で、
牛乳乳製品に関する記述8項目について、内容を裏付ける科学的根拠を示すよう求めた。
(2007/03/28)
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/shoku/070328/shk070328001.htm
◆「
牛乳は有害」の根拠ただす 健康科学会議が新谷教授に公開質問
医学や栄養学などの学識者で構成する「
牛乳乳製品健康科学会議」(会長・折茂肇健康科学大学学長)は27日、100万部超のベストセラーになっている「病気にならない生き方」(サンマーク出版)の著者、米アルバート・アイシュタイン医科大の新谷弘実外科教授が、「
牛乳を飲み過ぎると骨粗しょう症になる」などと記していることについて、その根拠などを正す公開質問状を送付した。
同会議では、「新谷教授の主張には科学的根拠に大きな疑問がある」(折茂会長)とし、4月30日までに回答するよう求めている。
質問書は8項目。新谷教授の主張の見解を裏付ける科学的根拠を示すよう求めると同時に、主張に反論する同会議としての見解を明記している。
著書では、「市販の
牛乳は『錆びた脂』ともいえる」とし、「
牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウムを減らしてしまう」などと、健康への悪影響を主張している。
これに対し、同会議では、「飲んだ
牛乳のカルシウムのうち吸収されたものは、体の血液や組織に蓄えられる。
牛乳はカルシウム吸収率が高く、
牛乳を飲むことで体内のカルシウムが減ることはない」と反論。骨粗しょう症になるとの主張に対しては、「
牛乳・乳製品の摂取を増やすと、小児期では骨密度が高まり、中高年期には骨量減少を抑制する」と否定している。
新谷教授は順天堂大医学部卒業後に渡米し、胃腸内視鏡医として活躍。98年に「胃腸は語る」(弘文堂)を出版。05年出版の「病気にならない生き方」は、食事による独自の健康法を紹介し大きな話題となった。同会議では、反響が大きく、見過ごすことはできないと判断し質問状を送付することにした。折茂会長は、「健康に関する情報が国民に間違って伝わるのは看過できない。世を惑わすもので、非常に遺憾」と話している。
(2007/03/28)
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200703280008a.nwc
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■公開質問と
牛乳乳製品健康科学会議の見解(要旨)
【質問1】
「市販の
牛乳は『錆(さ)びた脂』ともいえる」、「ホモゲナイズ(均質化)することにより、生乳に含まれていた乳脂肪は酸素と結びつき、『過酸化脂質』に変化してしまいます」、「超高温にされることによって、過酸化脂質の量はさらに増加します」と述べているが、それを裏付ける科学的根拠は。
《見解》
牛乳をホモゲナイズ、殺菌しても乳脂肪が酸化されることはほとんどない。乳脂肪は大豆油やコーン油より多価不飽和脂肪酸が10分の1以下と少なく、もともと酸化されにくい。
乳脂肪は
牛乳中では脂肪球として存在、ホモゲナイズすることで脂肪球は小さくなり、その合計表面積は増えるが、乳タンパク質で被覆され、酸化されにくい形態。また、通常のホモゲナイズや殺菌は外気と直接触れない工程で行われており、酸化に必要な酸素が
牛乳に溶け込むのはむずかしい。実際、同じ工場の「原料乳」と「ホモゲナイズ、殺菌したパック入り
牛乳」の酸化指標を測定した結果、まったく差がなく酸化は認められなかった。
【質問2】
「カルシウムをとるために飲んだ
牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウムを減らしてしまう」と述べているが、それを裏付ける科学的根拠は。
《見解》
牛乳を飲むことで体内のカルシウムが減ることはない。体内のカルシウムは99%以上が骨と歯にあり、その他は血液や組織の中にある。骨と血液中のカルシウムはホルモンやビタミンの働きで常に交換されており、血液中の濃度は常に一定に保たれている。吸収された
牛乳のカルシウムは血液や組織(大部分は骨)に入って蓄えられ、不要な部分は排泄(はいせつ)される。
牛乳のカルシウム吸収率や蓄積率は小魚や野菜より高い。
【質問3】
「
牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」と述べているが、その科学的根拠は。
《見解》
牛乳・乳製品の摂取を増やすと小児期では骨密度の獲得に寄与し、中高年期では閉経後の骨量減少を抑制する。
牛乳を飲むことでカルシウムの摂取ができ骨粗鬆症の予防に有効であるとの研究も世界中の研究者により報告されている。ハーバード大学が米国人7万8000人を対象に、
牛乳を多く飲むグループと少ないグループの骨折リスクなどを12年間追跡調査した結果、「カルシウムを多く摂取すると骨折発生が減るという証拠は見いだされなかった」が、
牛乳を多く飲むグループが骨粗鬆症になるとの記載はない。
【質問4】
「
牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界4大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股(こ)関節骨折と骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう」と述べているが、その科学的根拠は。
《見解》前述のハーバード大学の調査では、
牛乳をたくさん飲むことで大腿(だいたい)部骨折が多いとの報告はなく、骨粗鬆(そしょう)症が多いとの報告もない。北欧の女性は他の国に比べ、大腿部骨折が多い傾向にあるが、これは運動の種類・量およびカルシウムの体内への吸収に大きなかかわりをもつ日光などの影響があるためで、
牛乳が原因とは考えられない。
【質問5】
「
牛乳ほど消化の悪い食べ物はないといっても過言ではありません」「
牛乳に含まれるタンパク質の約8割を占める『カゼイン』は、胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです」と述べているが、その科学的根拠は。
《見解》
牛乳タンパク質は胃の中で酸や酵素によって固まるが、消化されにくくなることはない。カゼインは
牛乳中ではリン酸カルシウムの関与のもとコロイド粒子として存在し、内部はタンパク質分解酵素が自由に入れる緩やかな構造で、容易に分解できる。カゼインは肉のように熱を加えなくても、消化酵素によりそのままの形で消化可能な優れた食品タンパク質である。
【質問6】
「日本ではここ30年くらいのあいだに、アトピーや花粉症の患者が驚くべきスピードで急増しました。(中略)その第1の原因は、(中略)学校給食の
牛乳にあると考えています」と述べているが、その科学的根拠は。
《見解》学童期のアトピー性皮膚炎は環境要因が悪化因子となっており、学校給食での
牛乳の摂取には変化がないにもかかわらず、有症率が減少(1992年17・3%
2002年13・8%)していると報告されている。学校給食の
牛乳が花粉症の原因とする報告もまったくない。乳幼児期のアトピー性皮膚炎や成人の花粉症、アレルギー性鼻炎などが増えているが、原因となるアレルゲンは環境の中の花粉、ダニ、排ガスなどあらゆるものに起因している。
【質問7】
「市販の
牛乳を(中略)子牛に飲ませると、その子牛は4、5日で死んでしまうそうです」と述べているが、その科学的根拠は。
《見解》生まれてすぐの子牛は母牛の胎盤を通して免疫タンパク質を受けていないので、免疫成分を多く含んだ母牛の初乳を1週間ほど与える必要があるが、その後の子牛に温めた市販の
牛乳を飲ませても健康に全く影響はない。実際、生後4〜18日の子牛に市販
牛乳を1日4リットル与えた試験では、体調に何ら異常は認められず、順調に生育している。
【質問8】
「ヨーグルトの乳酸菌は、胃に入った時点でほとんどが胃酸で殺されます。(中略)腸まで届いたとしても、はたして常在菌と手を取り合って働くことが本当に可能なのでしょうか」と述べているが、その科学的根拠は。
《見解》ヨーグルトの健康効果は海外でも広く認められている。ヨーグルトは乳酸菌が死滅しても、乳酸発酵生成物や菌体成分による健康に対する効果がある。また、ヨーグルトの乳酸菌の中には“生きたまま腸に届く”ことが検証され、効果を発揮するものもある。
ヨーグルトや
牛乳成分は、腸内善玉菌の代表格であるビフィズス菌などの腸内細菌に利用されることで、腸内細菌のバランスに影響し、健康に有益な影響をもたらす。
───
2年前にはこのようなニュースが流れていた。
◆ミルクの飲みすぎに要注意? 骨を強くは神話
昔から、ミルクなど乳製品を摂取すると骨が頑丈になり、健康になるとよく言われている。
これは乳製品が、骨の組織に含まれるカルシウムの源になり、将来、骨がもろくなる骨粗忽症の予防にも役立つといわれてきた。
ところが、こうした通説的な見解に対し、最近の医学調査では、乳製品を多く摂取すると、逆に骨がもろくなる可能性もあるとの正反対の結果も出ているという。
中国などアジアの人々は、カルシウムの摂取量は、米国よりはるかに少なく、骨折などを訴える割合は5分の1になっている。
コーネル大学のコリン・カンベル名誉教授は、米国人の骨が弱いのは、ミルクの量が少ないのでなく、飲みすぎだと指摘している。
これはミルクに含まれている動物性たんぱく質の影響で、カルシウムの量が減るのが原因とされる。
アジアでは、カルシウムは野菜類から取られているという。
前述のウィレット氏は「われわれがカルシウムを必要とするのは間違いない。しかし、問題はどの程度取るかだ」と指摘する。
同氏は、米国人は政府の推奨する量より、カルシウムは半分程度に抑制すべきだとしている。
(ベリタ通信 2005/03/09)
◆
牛乳だけではカルシウム不足に 米研究
牛乳ばかりたくさん飲んでも、骨のじょうぶな子供には育たないという研究論文が7日、米医学誌ペディアトリックスの3月号に掲載された。
乳製品以外にもカルシウムの多く含まれる食事をバランスよくとり、適度に運動することが重要だという。
ワシントンにある「責任ある医療を求める医師会(PCRM)」は、カルシウム摂取と骨の強度の関係を調べた37の研究内容をまとめた。
その結果27の研究が、
牛乳を飲む量を増やしても骨の強化にはつながらないと結論していることが分かったという。
このことから、研究を主導したPCRMのエイミー・ラヌー会長は「乳製品の摂取量を増やせば、子供や若者の骨の石灰化が進むと主張するような栄養ガイドラインは、現存データに裏付けされていない」と話している。
PCRMの報告は、
牛乳1カップと同量のカルシウム摂取源としてほかに、カルシウム強化オレンジジュース1カップ、ゆでたケールまたはカブラ菜1カップ、インスタントのオートミール2パック、豆腐2/3カップ、ブロッコリー1カップと2/3、などを例として挙げ、
牛乳だけでなく多種多様な食品からカルシウムを摂取するよう提唱している。
また一部の研究は、カルシウムの摂取量を増やすよりも、適度な運動を続ける方が、じょうぶな骨づくりには効果的だと指摘している。
一方、米政府はこれまで、健康な骨づくりのと骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防を促進するため、1日あたりのカルシウム推奨摂取量を徐々に増やし、800?1300ミリグラムを主に乳製品から摂取するよう勧めてきた。
乳製品の摂取量は、米国児童の肥満増加とも関係しているとされている。米国の子供の食事の内、乳製品はエネルギー摂取量の18%、脂肪摂取量の25%を占めるとされる。
PCRMの論文についてコメンタリーを寄せているウィスコンシン大学マディソン校のフランク・グリーア教授は、児童の健康な骨づくりの理想的な方法は、しっかり運動することと1日最大1300ミリグラムのカルシウムを摂取することだと指摘。
乳製品の過剰摂取だけでは骨の強化につながらないという論文の結論を支持する一方で、最も簡単なカルシウム摂取法はやはり乳製品なので、ビタミンDも豊富な低脂肪の乳製品を勧めている。
(CNN 2005/03/09)
◆強い骨には、運動と適度のカルシウム=米報告
【シカゴ7日ロイター】米小児科学雑誌ペディアトリクスは、
牛乳を多く飲む子供の骨は、必ずしも他の子供よりも健康に成長しているわけではないとする報告を掲載した。
同報告は、強い骨を作るため、運動をすることや、豆腐、ブロッコリーなどカルシウムを豊富に含む食品を適度に摂取する方法を提唱している。
報告は、過去に発表された調査結果を引用したもので、厳格な菜食主義を推奨するグループが作成した。
報告を作成したエイミー・ラヌー医師は声明で、「科学的な検証の結果、
牛乳神話は崩壊した。過去に発表された58の調査結果をもとにした今回の分析は、米国の乳製品摂取推奨の根拠が脆弱なことを示している」と述べた。
(ロイター通信 2005/03/08)